子ひつじは迷わない 回るひつじが2ひき

雑感

 迷わない子ひつじの会に訪れる珍妙なお悩み相談に今日もしぶしぶ手伝ってしまう毒舌仙波ちゃん。
 1巻からかわらず軽快な面白さに軽い謎解きに解答をひねった解決策はそのままながらも、登場人物の性格に味が出てきて、1話1話に楽しみどころが増えたのが今作。2話から登場の某サトウさんがこの作品を裏から攻めるいい性格でこのキャラをここで登場させたのはかなりうまいとおもった。主人公が自分の恋心を理解してアタックをしかけてるあたりがあまりライトノベルではみかけなくて、読んでいて不快なところがないし、各ヒロインの心境の変化が現れてきて青春を感じていいなぁぁ
でも、そんなことよりも、1話ヒロインの羽賀弥生さんが、かわいすぎやべぇ!作品としては全然出てきてないし、どう考えても端役な上に、伝聞形式でしか登場してないんだけど、健気で策士で一途で優しい女の子なことが分かるし、茶目っ気もあるすごい魅力的な女の子すぎて、1話の解決あたりでこの問題をつくっていたときの羽賀さんの様子とか想像したらすごくニヤニヤしてやばかった。この子嫁にほしい。

1月のまとめ

1月の読了数は17冊で、目標の2日に1冊はクリア。BK1を使い始めたら気楽にポチれるようになって自制心と勝負ながらも、先日家の積読本を調べたら全351冊で積読が84冊もありました。月あたり15冊ペースなんで、単純計算で半年くらいは本買わなくても足りますねヒドイ。

1月のお気に入り本は圧倒的に「ぐいぐいジョーはもういない」(感想)ですね。これの最後も見せどころまでのステップの積み重ね、野球の妙をふんだんに盛り込んだ構成、そして大好物の女の子2人の絆、これはぜひ読みましょう。
それ以外では、大好きな瑞智士記さんの新作の「星刻の竜騎士3」ですが、作風としては好きな瑞智さんの感じとは違うので新鮮ながらも、ラブコメとしては王道でもにょもにょ。先月最後に読んだ「子ひつじは迷わない 回るひつじが2ひき」もライトなミステリーで謎自体は簡単だけど、解答後の落とし所がひとひねりあるもので最後まで楽しめるのが好きです。

以下読書メーター貼り

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星刻の竜騎士3 (MF文庫J)

星刻の竜騎士(3) (MF文庫J)

星刻の竜騎士(3) (MF文庫J)

雑感

開幕からいきなり触手+お漏らしコンボという、えっこれライトノベル?という展開で度肝を抜かれたが、作中でもなんどもエロコメ満載で終わらないエロ要素。
今作ではドラゴンと龍騎士の絆が示されたり、アッシュとエーコの関係が明らかになりつつありとキャラクターの魅力で動いていたこれまでの作品より物語が動き始めた。キャラはなんかどこかでみたような素直になれない自分の気持ちに気づいていない反応で、もうすこし感情行動の幅が欲しいと思うけど新キャラのルッカがスパイスになって動き出しそうでそこも今後が期待。
今作メインのルッカとドラゴンの話は、悩みの解がいきなりポイッと示されてそのあたりは不満。それでも不安な様子から決意を決めて最後にはキメるルッカがかっこ良くいい話だった。

ぐいぐいジョーはもういない

ぐいぐいジョーはもういない (講談社BOX)

ぐいぐいジョーはもういない (講談社BOX)

雑感

女子高校硬式野球のバッテリーを特に捕手視点で描かれた作品。肘に違和感を抱えたピッチャーが決勝の舞台で完全試合を成し遂げるまでの詳細な1球1球の描写が実際に球場で観戦しているような感覚ですごかった。それでいてバッテリーの2人の間にある信頼、不安、期待、緊張が随時変化していく複雑な感情が読み取れるのも魅力。
 バッテリーの間にはホームからマウンドまでの14メートルの近くて遠い距離が残されているジレンマが、作品最後のあの1アクションで0距離に心身ともにもっていったあの瞬間の盛り上がりのためにここまで鮮明な描写があったんだと。
野球がわかり、女の子の信頼関係が読みたい人にはぜひおすすめする。ぶっちゃけ前回書いた百合まとめ作品にノミネートしてぶっちぎるレベルの面白さだった。

2010年百合ライトノベルまとめ

昨年は百合ライトノベルが私の観測範囲ではほとんど出なかったんですが、実際どれくらいあったのかついでに私のベストでも選定してみようかな企画

ラインナップ

読了済み作品からの選択と、軽く調べてみた結果の未読2点。

既読
  • 君が僕を

君が僕を 4 (ガガガ文庫)

君が僕を 4 (ガガガ文庫)

蒼穹のカルマ6 (富士見ファンタジア文庫)

蒼穹のカルマ6 (富士見ファンタジア文庫)

  • 偽りの姫は騎士と踊る―ダブル・エンゲージ

ダブル・エンゲージ 偽りの姫は騎士と踊る (一迅社文庫アイリス)

ダブル・エンゲージ 偽りの姫は騎士と踊る (一迅社文庫アイリス)

  • 私立カトレア学園 乙女は花に恋をする

私立カトレア学園 乙女は花に恋をする (一迅社文庫アイリス)

私立カトレア学園 乙女は花に恋をする (一迅社文庫アイリス)

  • 白鷺このはにその気はない!

白鷺このはにその気はない! (一迅社文庫 は 4-4)

白鷺このはにその気はない! (一迅社文庫 は 4-4)

  • ハーモニー

ハーモニー (ハヤカワ文庫JA)

ハーモニー (ハヤカワ文庫JA)

  • 呪詛喰らい師

呪詛喰らい師 (あとみっく文庫)

呪詛喰らい師 (あとみっく文庫)

未読
  • ぐいぐいジョーはもういない

ぐいぐいジョーはもういない (講談社BOX)

ぐいぐいジョーはもういない (講談社BOX)

  • 不動カリンは一切動ぜず

不動カリンは一切動ぜず (ハヤカワ文庫JA)

不動カリンは一切動ぜず (ハヤカワ文庫JA)

雑感

この中で2010年ベストを決めようと思ったんですが、全体量が少なすぎて絞る意味が無いように思えますね。瞬間百合風速が一番強かったのは実は「白鷺このはにその気はない!」だったと思います。作品全体で読むと主人公がひどいクズで救いようもないんですけど、「白鷺このはと柊桐佳」この2人のエピソードはすごく癒されたし、告白後の友情としての葛藤なんか心が痛くなった。この部分だけ抜粋して1作品あれば百合ラノベの代表作になってもおかしくないんじゃないと思うわけです。主人公がまだまともだったら……
君が僕をは無事完結しましたが、百合作品なんですが、作品の特殊な作品観を自分が完全に捉えきることができずうまく言葉に出来ないものが満載で扱いに困っています。蒼穹のカルマは安定シリーズとなっていて今更すごいよねと取り上げなくてもいいですよね。
その他リスト作品で、「呪詛喰らい師」が官能小説に含まれるのでオススメはしづらいですが、百合ですので、もし興味ある方は手にとってみてはいかがでしょう。百合描写は若干ハテナですが、相手を大切だよという気持ちはすごく伝わってきて、良い作品でした。

あとは、どうも調べる限り、未読なんですが「ぐいぐいジョーはもういない」がかなりよさそうなので上記の話全部ぶっちぎる可能性があります。あと、これ百合だったよ情報はいつでも追い求めてます。よろしくお願いします。

それでは、2011年も良い百合に出会えますように

虐殺器官

虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)

虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)

雑感

SF作品は手に取る機会がほとんどなく難解な部分も多々。
経済活動になってしまっている戦争や軍隊のエキスパート調整など近未来的なパーツが物語中で主役が感じ無い死の実感と深く絡み合っていて、仕事としての命を奪う罪と、自ら意思をもって命を奪うことを決定した時とで心の揺れが全く違う点が印象的だった。どこまでも淡々としていながらも、時折見える疑念と後悔と決意がたまらなかった。
 同作者のハーモニーを先に読了していたわけだけど、同じSF作品で作品の世界観の雰囲気が全く逆なのに物語の中心にある命と死のテーマは2作品を読んだ上でさらに再読するとより深くつかめるのかな